小さな姫とヤンキー王子


そんなのお構いなしにトウマはアタシを車の後ろに放り込んだ。

アタシの横にスバルが座り、助手席にトウマが座った。

そしてゆっくりと学校に向かって走り出した。

あー学校私服だけどいいかなぁ~。

でもいつもほとんど私服だからいっかぁ。

「リナっ!!! てめぇ聞いてんのかっ!!?」

「ひゃいっ!!」

トウマがいきなり怒鳴るからビックリして変な声でちゃったじゃん。

「お前・・・ひゃいっってなんだよ・・。しかもその反応なら聞いてなかっただろ」

「うっ・・その通りでーす」

「俺のほうを向いて言えやっ!」

「やだやだー。怒りんぼなトウマきらーい」

ぷいっとそっぽを向きながらそう言うと

「・・・キライなんていうなよー・・・」

そういってしょんぼりする。

「やーん、可愛い~♪」

「かっ可愛い言うな!!俺は可愛くなんかねぇ」

「そうそう。トウマのどこが可愛いのか俺にはわかんねぇ」

「お前は黙ってろ」

ゴンッとスバルの頭にゲンコツをした。

それを見てアタシはけらけら笑っていた。