「……しっ、紹介しろ……っ!!まさか本物に会えるなんて……っ」
ギブスの先輩は葉山くんにぐいぐい迫る。
あたしはまたもや訳がわからないままポカンと二人のやり取りを見ていた。
「………おい…っ!あれ……っ!?聖女の…!」
「マジか…っ!?何でここにっ!?」
「………っ!?」
いつの間にかあたしは…次々に現れたバスケ部の人や周りの咲学の男の子達に囲まれてしまっていた。
「………っ!」
どうしよう……っ!?
あたしを囲む人達の目が…何だか怖くて……。
あたしは固まったまま動けない………っ。
「しゃっ、写メ撮っていい……っ!?」
「てか…っ、メルアド教えてくれる!?」
「友達になって…っ!!いや……いっそ彼女に……!!!」
「ちょ……!?みんな落ち着けって……っ!!」
葉山くんが何とかみんなを落ち着かせようと頑張るけど……、騒ぎは一向に収まらない……!
「…………っ!!」
あたしは見慣れないたくさんの男の子達が怖くて……。
思わずその場に座り込んだ。
どうしよう…っ!
由貴くんの言うことをちゃんと聞かなかったからだ……!
「……っ、ゆ…由貴く……~~っ」
じわりと涙が浮かんだ………その時―――
――――ガァン……ッ!!!
「…………っ!!?」


