そして、放課後。



「……じゃ!あたしがんばるから…っ!」


そう意気込んで、今日も待っててくれてる由貴くんの元に向かう。


凛子がひたすら笑いを堪えていたのが微妙に気になるけど……。



でも、由貴くんを見たらそんなことはすっかり忘れてしまった。


「……由貴くんっ!」


あたしの声に気がつくと、由貴くんはフッと優しい顔になる。


この瞬間が大好きだっ!



「今日はバイト休み?」


「うんっ!由貴くんは用事ある?」


おしゃべりしながら二人で手を繋いでのんびり帰る。


「ない。俺ん家……来る?」


これはチャンス……!!


そう思いながらコクコク頷いた。


あたしの家に由貴くんが来た事もあるんだけど……、


うちはママが専業主婦でいつも家にいるから、由貴くんにくっつきたいあたしは落ち着かないし……。


真面目な由貴くんも遠慮して、あたしを中々くっつかせてくれない。


だからたいがい、両親とも忙しく仕事をしてて留守がちな由貴くんの家になるんだ。