外に出ると凛子はたちまち葉山くんに噛みついた。
「うちのにこがあの恐ろしげな男を騙してるですって!?」
恐ろしげは余計です…。
「全くもって申し訳ないっす……。」
凛子に凄まれ、葉山くんはちっさくなってうつむいた。
「にこはね…純粋培養なの。うちの学校の癒し系ペットなの。悪い虫がつかないように、あたし達みんなで守ってきたのよ……!!」
凛子の言葉に友達みんなうんうんと頷いている。
あの……、癒し系はいいけど……。ペットて………。
「……返す言葉もありませんです……。」
いやいや。
あたしのペットてとこ返そうよ…?
「……で?のこのこ来たからには何かいい報告でも持って来たんでしょうねぇ?」
凛子の一睨みに葉山くんがバツの悪い顔でがしがし頭をかいた。
「……由貴のヤツ、今日サボってて……。メールも電話もモロ無視で………。」
ごめん!と葉山くんはあたしに頭を下げた。


