「………。」


由貴くんはとにかくめちゃくちゃ不機嫌で……。


そんな由貴くんを見るのは初めてだった。


「……由貴ちゃん…っ!違うって…っ!誤解だぞ!?」


そんな由貴くんに焦った葉山くんが立ち上がって必死な顔で説明してるけど………


由貴くんはじろっと葉山くんを睨み付けるばかりで………。


「………っ!!」


もしかしなくても……あたし、なんか誤解されてる……?


「ゆっ、由貴く…っ!……」


「……なんで、瑠威と……っ。……俺みたいな無口なやつより、瑠威みたいな楽しいやつのがいいんだ……?」


「………!?」


あたしは由貴くんの冷たい言葉に固まった。


頭の先からスゥ…て、冷えてく感じで……。


「……ち、ちが…っ」


誤解って、そう言いたいのに声がうまく出ない……。



由貴くんはス…っと目をそらすと



「………帰る。」





それだけ言ってあたしに背を向けた。





あたしは、ただ何も出来ずにその場に立ち尽くした…………。