「…………にこちゃん………。」
「………!」
なんだか………やっぱりちょっとむっとしているような由貴くんが……あたしに視線を向ける。
「…………??」
どうしたんだろう…?と、今度はあたしがきょとん。
「…………その……」
「………?由貴くん……??」
「………その……水………」
由貴くんが口を開きかけたその時―――
「由貴ーーー!にこちゃーーん!アイス食べよ~♪」
そんな葉山くんの言葉に………
「………!アイス食べるっ!!」
「…………。」
つい、反応してしまうあたし。
「……あっ!……由貴くん、ごめんねっ!?…あの、話しは……?」
ハッとして向き直れば、由貴くんは微かな苦笑をもらしていて
「………なんでもない。行こうか?」
あたしに手を差し出して優しくフ…と笑った。
「………うんっ!」
あたしはその手をぎゅっと掴んで、いつもどおりの由貴くんにほっとして満面の笑顔になった。
「………。」
そんなあたしを由貴くんがじっと見下ろしていたんだけど………
アイスに気をとられたあたしは気づかなくて…………
そう言えば……由貴くんが言いたかったことってなんだったのかなぁ…?なんて、暢気に考えていた。


