――――2年後。









あたしの胸には………



《弁護士記章》…いわゆる、弁護士バッジが輝いていた。



一年前…司法試験に奇跡の合格をして、すべての司法修習を終えて………考試(法律家になるための最後の試験)に合格することが出来た。



弁護士会への登録も終わって………



あたしは正真正銘の、《弁護士》に、なったんです………!!




新米弁護士のあたしは相変わらず、エリ先生にしごかれながら勉強の毎日だ。



まだまだ簡単な案件の民事事件しか扱ったことはありません。



だけど、確実に、あたしは弁護士として歩きはじめたの………!









「…………百瀬先生!」



自分を呼ぶ声に足を止めた。



先生…なんて言われるのはまだまだ慣れなくて、照れくさい。



ちょっと照れつつ、振り返ると………



「………西田(ニシダ)さん。お久しぶりですね。」



「………覚えててくれたんですかっ!?感激だなぁ!」



西田さんは、あたしの5歳年上で……玲さんの知り合いの弁護士だ。



この前たまたま玲さんといる時に会って、ほかには一度も面識はない。



あの時……妙に馴れ馴れしいこの人に、やたら玲さんが警戒してたような気がするんだけど…………



あまり仲良くないのかな………?



なんて思ってたんだよね…………。