あたしはこの日、なんとかきゅん死にすることなく…由貴くんと一緒にいられる時間を楽しんだ。


ぶらぶらと手を繋いで歩くだけで、嬉しくて楽しい。


由貴くんがそこにいるだけであたしはめちゃくちゃハッピーだ。





だから……、だんだんと沈む太陽が憎い…………。



「………送ってく。」


「………。」



はぁってため息をついて、差し出された由貴くんの手をとった。


早いな、早い………。


楽しい時間はあっという間に過ぎる。


もっともっと、一緒がいいのに……。



家に近づくにつれてあたしの足は重くなる。


「……にこちゃん?」


「………。」


思わず立ち止まってうつむいた。


ダメだよ。由貴くん困っちゃうよ…。


でも…さみしい、さみしい。



そう思ったら…あたしの足は動かない………。