由貴くんはコホン…と気を取り直すように咳をして、あたしに向き直る。


「………っ!」


あたしは未だに緩む頬を直せない。


「………にこちゃん…。」


「………!」


じとりと睨まれて、あたしは慌てて顔の前でぶんぶん手を振った。


「わっ、笑ってないっ!もう笑ってないよっ!」


「………。」


由貴くんはむ~っとした顔のままあたしを見てたけど、はぁっと諦めたようにため息をついた。


「……由貴くん??」


「………。」


それからあたしをじっと見つめる。


んん~っ?まさか怒っちゃった……??


でも由貴くんはこんなことくらいじゃ怒らないと思うんだけどなぁー…。


あたしの頭には?がいっぱい。


それなのに由貴くんはまだあたしを見てる……。



「由貴く~ん…」


だんだんとしょんぼりしてきた時……


「……にこちゃん、」


由貴くんがゆっくりかがんで…あたしの耳元に顔を寄せる。


「え…っ!由貴く…っ!?」


いきなりの由貴くんからの急接近に動揺しちゃうっ!



由貴くんは…あたしの耳元で






「……にこちゃん、今日も、すごく…かわいい。」


「………!!!」



目元を赤らめて、そんなことを言うものだから………。








「………きゅん死にしたらどうしよう……。」


「………!?」