「………にこちゃん……?」



「………お疲れさまっ!」






次の日の放課後―――





由貴くんの驚いた顔をあたしは笑顔で迎えていた。



今日…初めて咲学の校門の前で、由貴くんを待った。



咲学生達はみんなじろじろ見てくるし……気まずくて恥ずかしかった………。



でも……由貴くんはいつもそんな思いをしながら待っててくれてたんだね………。



あたしなんかより、よっぽどそういうの苦手なはずなのに………。



由貴くんは……いつもあたしに甘過ぎだよ………。



由貴くんの優しさに気づく度に本当に堪らなく好きだと思った。





「…………なんで………」



「だって早く会いたかったんだもん!」



「………っ!」



由貴くんの腕に飛び付いて笑う。



「…………帰ろ?」



「…………うん。」



由貴くんはちょっと戸惑った顔をしたけど…あたしにつられるように、フ…といつもの笑顔を見せてくれた。






それから…いつものように手をつないで、二人で由貴くんの家に帰った。










あたしの手を握りしめる由貴くんの手が……いつもよりぎゅっと、強かった。