それを見ていた凛子さんがス…ッと視線をそらすと



「………行くわよ。葉山瑠威。」



そう言って、瑠威の首根っこを引っ張った。



「………え…っ……え…っ!?今っ!俺の名前………!!」



瑠威は一瞬…呆けたような顔をした後……見るまに真っ赤になって……



「………何よ…あんた葉山瑠威って言うんでしょ?………嫌ならヘタレに変えてあげてもいいわよ?」



そんな瑠威に対して、凛子さんは余裕の笑みでニヤリと笑った。



「………滅相もございませんです………っ!!……ヘタレはイヤ……っ」



「あらそう~。……そう言われると逆に呼びたくなるわぁ。」



「………っ!!?」




固まる瑠威に凛子さんは心底楽しそうだった。



そして、そのまま帰ろうと歩き出す。



「…………凛子!!」



その凛とした背中に、にこちゃんが声をかける。



「…………。」



凛子さんはゆっくりと振り返った。



「……っ!……ありがとう!!凛子……っ、大好き………!!!」




今にも泣き出しそうな顔をして………それでもにこちゃんは煌めくような笑顔だった。



「…………当然でしょ?」



凛子さんはそれを見て…満足そうにそれだけ言うと、また瑠威を引きずって帰って行った。



「…………凛子……。」



「…………。」



その背中に向かって……目をキラキラさせてつぶやくにこちゃん…………。









俺の最大のライバルは…………









間違いなく、あまりに男前な彼女の親友だ…………。








「…………凛子………。あいらぶゆ~……」



「…………!?」