「ふぇ……っ、由貴く……っ!由貴くん……っ!うぅ~……」
あたしは楡崎先生がいることも忘れてぼろぼろと泣いた。
止まらない涙が嫌で嫌で嫌で………!
ごしごし必死に目を擦った。
由貴くんを信じてるのに……こんなにも嫉妬にかられる自分が嫌で堪らない………!
「…………こんな目にあったのに……、まだ彼のことが好きなのかしら………?」
楡崎先生が不思議そうにそうつぶやいて、あたしの隣に座る……。
正直…今は、先生の顔……見たくないのに…………。
先生の色っぽい香水の香りが……由貴くんからした残り香を思い出させる……。
「………っ!うぇ……っ…」
堪らなくなってまた泣き声が零れた。
「…………。」
すると……
「………!?」
頬に…温かな感触がして、驚いて顔を上げた。
「……に…楡崎せんせ……?」
あたしの頬に優しく手を添えて……楡崎先生が…まるでうっとりした顔であたしを見つめていた………??
「………ねぇ…?にこちゃん……あなたって本当に堪らない………。」
「………?」
先生から色っぽいため息とともに出た言葉の意味がさっぱり解らないあたしは…ただキョトンと先生を見上げた。


