愛玩子猫のしつけ方


【side凛子】




―――――――――――――――…………



「失礼します…!鮎川先生…!何の用ですかっ?」



職員室に入るなり、あたしを呼び出した担任の鮎川先生に声をかけた。



「………?……何のことかしら…??中村さんを呼んだ覚えはないんだけど………。」



「………!?」



その言葉に驚愕した。



「……失礼しました!!」



次の瞬間にはドアに向かって走っていた……!



「………嘘でしょ!?………にこ………!!」



出来る限りの速さで教室に向かった……!
途中で先生に注意されたけどかまってられなかった。



愛音の言葉が頭をよぎって……思わずぎゅっと手を握りしめていた。



「………にこ……っ!?」



嘘………!!



教室にいたはずのにこの姿はどこにもなかった………。



にこの机のイスは引かれたままになっていて……荷物も置いたまま……。



まだ帰ってはない……!



あたしはケータイを取り出して急いでかけた。
三回目のコールでそれはつながった。



「………遅いわよっ!?……いいから、有無を言わずにこっちに来なさい!!……にこが大変なの!

………橘由貴もいない……?……もう…っ!!マジなんだわ……!詳しい話は来てからよ!

あぁ…もう…!待ってられないからあたしもそっちに行く!いいこと?あんたも3秒でこっちに向かいな……!!……タラシ!!!」



あたしはケータイを切ると、またダッシュで咲学に向かって走った。






電話の相手…葉山瑠威と、落ち合うために………!






「………無事でいてよ…っ……にこ……っ!!」