着いたのは第3音楽室………。
あまり人が通らない、今はほとんど使われてない教室だった。
でも、音楽室なだけにしっかりと防音されてるし…ないしょ話にはうってつけかも……。
先生は適当にイスを引くと、あたしにも座るように瞳で促した。
「………。」
あたしはただ黙って近くのイスに座った。
「………あなたの彼氏………本当にあなたを大切にしてくれているのかしら?」
「………どうして…ですか?」
悔しいけど……ゆっくりと余裕で話す楡崎先生に比べて、あたしの声は小さく震えてた。
「私ね……あなたの彼に……急に抱き締められちゃった。」
「………!!?………うそ………!!!」
あたしは堪えきれない声をあげた……!
由貴くんが……由貴くんが……!
そんなことする訳ない………!!
「………昨日、たまたまあなたの彼氏にあったの。ちょっとお喋りして……そしたら、子供のあなたが面倒くさくなったって言ってたわよ……?」
「………っ!!」
気にしてる言葉にぎゅっと胸が締め付けられた。
「………由貴くんは……っ、そんなこと……しない………!!」
あたしは尚も先生に向かってそう言った。


