思わずそんなつぶやきがこぼれた………。
あの先生は何だか…凛子の言葉で言うなら、すごく…胡散臭い。
―――コツ…ッ…。
「………?」
そんな微かな足音に振り返れば………
待っていた凛子じゃなくて………
また………楡崎先生だった………。
「今日も……まだ帰ってなかったのね……?」
「………今日は、友達を待ってるんです。」
にっこり笑う…その顔が、なんだか…………怖かった。
「そう……。丁度よかったわ。あなたに……話があるの……。大事な、彼氏のことで……ね?」
「………っ!?」
―――ガタン…!
思わず弾かれたみたいに立ち上がってた。
そんなあたしの様子を楡崎先生は面白そうに見てる。
「………ここじゃ出来ない話なの。……音楽室が空いてるから…そこに行きましょ?」
「………。」
先生に促されて、無言で従った。
凛子ごめん………!
そう思ったけど……後を追わずに入れなかった。
由貴くんからも香った香水の香りが鼻をついて……不快だった。


