コソコソと裏門を抜けて……あたしは何とか誰に会うこともなく学校に戻ってくることが出来た。



もうすっかりいつもどうりの下校時間……。



今から愛音のところに行くのも迷惑だよね……。



はぁ~…と、思わずため息がこぼれた。



何だか振り回されたような感覚にドッと疲れが込み上げてくる………。



「………あっ!由貴くん……っ!!」



あたしは慌ててバックを掴み、校門に向かって走った。







「…………由貴くん…っ!!」



「………!」



由貴くんはいつもどうりに待っててくれた。



「ごめんね……っ!あたし、ケータイの充電切れちゃって……!連絡できなくて……っ」



あたしは勢いよく由貴くんに謝って頭を下げた。



「………そんなに待ってないから……今日は昼までだったんだって…?」



由貴くんの答えにハッと顔を上げた。



「………知ってたのに、待っててくれたの……?」



びっくりして聞くと、少し…何だか複雑そうな顔をして、念のため…と言ってくれた。



「~~~~っ!!」



いるかも知れないと思って…待っててくれたんだ………!



「………にこちゃん…っ」



思わず、ひしっと抱きついていた………!



「………ありがとう…っ!!」



何だかもう…その優しさが………疲れたあたしを吹き飛ばしてくれたみたいに嬉しかった。