「…………どういう意味ですか?」



不機嫌を隠さずに聞けば



「うちは今日は創立記念日で……お昼までの授業なの。………あなたに会いに行ったんじゃないなら…………誰に会いに行ったのかしらね………?」



楽しそうに……意味深なセリフを吐き出した。



「………どうして彼女がわざわざここに来る必要があるんです……?」



睨んでやっても、まるで堪えた風のない女は尚もクスクス笑いながら



「………さぁ…?……でも、そちらの教育実習生も素敵よねぇ…。うちの子達も騒いでるの。知り合いなら紹介して……って。あのくらいの年頃って大人に弱いから……。」



「………!!」



くだらない……っ。



これ以上話しは不要だと背中を向けた。



そうしたら……また背後から、声がかかった。







「………彼女の制服の胸ポケット………。覗いて見たらいいわよ………?」



「…………っ!」




俺はもう振り返ることなくその場を立ち去った。







自分の制服から尚も立ち上るあの人の香水の移り香に………苛立ってしょうがなかった。