【side由貴】




なんで俺がこんなこと……。



そう思いながら学校の裏手にある焼却炉前に俺は立っていた。



手には教育実習生の一条先生から預かった教材の資料。





――――――――――――――――………

『………橘くん…!』



『………?』



かけられた声に振り返れば、教育実習生の一条先生が笑顔で駆けてきた。



『いいところで会ったよ!ちょっと悪いんだけど…頼まれてくれない……?』



『…………。』



正直……ついてないなぁ………と。



一条先生は俺に……これから人に会う用事があるのに、隣の聖女の教育実習生の先生に教材資料を返す約束を忘れていたとかで…………。
今日中に返さないと相手の先生が困るのだとか。





俺、関係…全くないな。



そんなことを思いながら、とっとと来てほしいと…その先生を待った。



早く彼女を迎えに行きたい俺は微妙に不機嫌だ。



「………ごめんなさいね!遅くなっちゃって……」



「………!」