とりあえず、ここで突っ立ってたってしょうがない。



あたしは視線の先に見える第二資料室を目指して歩きだした。



ここで……間違いないよね?



扉の前に立って、一呼吸置いたらドアをノックした。



『……どうぞー。』



「………!」



中からは若い男の人の声がした。



今のが一条先生なのかな……?



あたしは恐る恐るドアに手をかけて……そっと開いた。



「……失礼しま~す……。楡崎先生に頼まれて来ましたー…。」



いつもの元気はどこへやら………自然と声は小さくなった。



「いらっしゃい!楡崎先生から今連絡あって聞いてるよ。」



「………!…あ、え…っ…はい…っ。」



いきなり視界に現れた男の人の大きな声に驚いて……思わず返事はしどろもどろになってしまった。



「ここの教育実習生の一条です♪よろしくね~!」



そう言ってにこにこと人懐こい笑顔を見せた一条先生は、明るい茶髪の爽やかなイケメン先生だった。