何か信じられないあたしは思わずそう言ってしまうと……



『………っ!!』



愛音は弾かれたように顔をあげて、涙のいっぱい溜まった瞳であたしを見つめた。



『………にこたんの言う通りだよ……っ。あたし…っ、彼を信じたい!………もう一回《あの人》に会って、ちゃんと聞いてみる!』



そう言って立ち上がり、何かを決心したように真剣な顔をした。



『……まぁ、落ち着きなさいよ。今日はもう帰って…明日あたし達もその胡散臭いのに会うの付き合うから……。』



『………。』



凛子の言葉に愛音は黙ってしまったけど、うん…と頷いて………



だからそのまま帰る準備をして三人で学校を出た。



次の日から……愛音は学校に来なくなった………。









でも………。



知らなかったんだ。



愛音が帰り道で、あたし達と笑顔で手を振って別れた後……………







愛音が…一人で、《あの人》に会いに行ってしまったこと……………………………。









「………愛音…。どうしちゃったんだろ…………。」


「近いうちに…会いに行ってみましょ…?」






愛音がどんな目にあっていたのかなんて…………知らなかった……………。