「………だって、いっつも凛子に言われてるもん。………あたしは元気と食い気しかないお子さまだって……。」



顔を赤く染めて、むぅっとした顔で………。
にこちゃんはそんなあたし自身が男の子をソノ気にする訳がない…と、そんなことを言う…………。







「…………!」



だけど……俺は、何だか気付いてしまった。



それって実は………ある意味『すりこみ』的な事なんじゃ……??



どうにも強い影響力のある凛子さんにそう…思い込まされてれば、



にこちゃんほど素直な子なら……自分はモテないと思い込んで、周りのやましい視線をはね除けるくらい鈍くなるんじゃ……??
確かに、いくらモテると説明してもてんで信じようとはしないよな……?




でも……つまりはそうやって……守られてきたから。



彼女は真っ白綺麗なままで………それはそれは無邪気に自分の心のままに行動してるんだろう………。



まさに凛子さんの作戦どうりってことか?



計算とか打算とか……にこちゃんは考えもしなさそうだ。



だからこそ、その無意識な誘惑は堪らない破壊力だけど………。



これからも無邪気な可愛いにこちゃんに…振り回されること間違いないと思いつつ……



どこもかしこも綺麗な彼女が俺を初めて選んでくれたことを……堪らなく嬉しいと思った………。









「由貴くーーんっ!?巻き寿司取って~~っ!」




でも………たまには…………





「………じゃあ……にこちゃんの好きなちゅうするから…もうちょっと我慢してね………?」



「…………!!?」








―――俺が君を翻弄してもいい…………?