「ゴホンッ!えー、彼女の名前は柏木姫菜君だ!」



学園長は全校生徒の前でアタシの名前を口にした。



別に大勢の前で言う必要無くない!?



大勢の人から注目を浴びてて恥ずかしいんだけど…。



「柏木君!舞台に上がって来てもらえるかな?」



は!?何で!?何で、そうなんの!?



『えぇ!?いやいや結構です!!』



今でもこんなに注目浴びてるのに、舞台の上なんかに上がったらもっと注目浴びちゃうじゃん!!



「いいから早く!」

『えぇ…』



これ以上、舞台の上と下で話してると逆に目立つから私は渋々舞台へと足を進めた。



舞台に上がったアタシは顔を俯いた。



「柏木君!顔を上げて!!」

学園長は顔を俯かせるアタシにそう言う。



相変わらず体育館内はザワザワ騒がしい。



「ほら柏木君?顔を上げてごらん?」



学園に促され渋々顔を上げるとさっきまで騒がしかった体育館内がピタッと静かになった。



そして全員の顔がこちらに向いている。



そして誰一人微動だせず黙ってる。



な、何だろ…??



『学園長?』

「ん?」

『アタシの顔何か付いてますか?』

「ぶはっ!!あははは!!何も付いてないよ?ぷくくく!!」



学園長は急に噴き出し笑いだした。



何がそんなにおかしかったんだろ??



それに、まだ皆固まったままこっちを見てるし。



何だか変な人達がいっぱいいる学園だなぁ…。