『ふわぁぁあ…ねむ…』
アタシの口からデカイ欠伸がでる。
早く寝たはずだけど、眠気が消えない。
「姫ちゃん。女の子がそんな大口で欠伸しちゃダメだろ!!」
ハッと気づき。開いてる口を、急いで手で覆う。
「あら、嫌だ!!アタシったら〜、大口で欠伸なんかはしたないわ!!」
アタシは、オホホ〜と、ごまかしといた。
「そうそう、オメーさんも一応は女の子なんだからよ〜」
そう言ったのは、変態色気野郎。
『一応って…生まれた時から、れっきとした女の子なんですがっ!!』
「埋まれたときから??」
『……』
おいおい。漢字が違うだろうが!!漢字が!!
埋まれてるわけないだろうが!!!
ま、まぁ、落ち着くのよ!!姫菜!!
『コホンッ……無駄な会話はそこまでにして……。皆様、あれから1ヶ月が経ちました!』
「姫。お前誰に話し掛けてんだ?」
『舜…読者様に決まってんでしょ!!!って、ちょいちょい!!琉衣さん!ケータイ何に使うつもり!?』
舜の隣にいた琉衣の右手には、シルバーのシンプルなケータイが握られていて、耳元に当てては「電話」とだけ伝えてくる。
ついでに言うと、番号は入れ終わってるっぽい。
『マジでどこにかけるつもり!?』
「病院」
『……あの。何かすんません…だから、やめてください』
「……分かった」
何とか、病院送りは避けられたみたいだ。
