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『…グスンッ…グスンッ…』



姫の泣き声が聞こえる。でも姿が見えない。



「姫?どこにいるの?何で泣いてるの?」



辺りを見回して探しても真っ暗闇しか無い。



『…グスンッ…グスンッ…』



でも、姫の泣き声はやっぱり聞こえる。



姫どこだ?どこにいるんだ?



たくさん歩くと一筋の光が射す場所があった。



「姫!!」



見つけた!!



暗闇の中には体育座り膝を抱えながらで涙を流す姫の姿が。



「姫大丈夫だよ!だかり泣き止んで?」

『…グスンッ…グスンッ…』



それでも泣き止まない。



「姫?だいじ『…グスンッ…あなたはだぁれ?』

『何で真っ暗なの?…グスンッ…』

「姫!?僕だよ?舜だよ!!」


俺は泣き叫ぶように姫に訴えかける。



『あなた…舜君って言うの?カッコイイね…』



姫の涙が少し止まった。



『行かなきゃ…行かなきゃ…』

「…え…?」



突然歩き出した姫。



それと同時に俺も慌てて追い掛ける。



「待って姫!待って!」

『行かなきゃ…行かなきゃ』



姫の耳に俺の声は届いていない。



『行かなきゃ…サヨナラ』



手を伸ばし、捕まえられそうなところで突然姫の姿が消えた。



「ひ、姫…?」



真っ暗闇に残された俺。



姫の姿は無い。



「姫…姫ぇぇえ!!!」



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