そして、次の日。

「おはよう!!束唆君!!!」

美穂の元気ではきはきしている声が響いた。

その声を聞き、学校中は、美穂が束唆と付き合っていると言う言葉が
広まった。

「そういえば、璃桜が、よかったね!!って言ってたよ!!」

美穂が言ってたのが聞こえた。

「そうか。じゃあ、俺、お礼言っとくわ!!」

束唆の声…。

本当に、もう、幼なじみじゃないような気がする。

なんで、今更そんなこと思うんだろ。

ばかばかばか!!

私のばか!!!!!!!!!

変なこと、思わないこと!!なんだから!!!

「おっ!!!!丁度いいとこに!!美穂から聞いたぞ!!」

束唆が私の方へ来て、話しかけた。

「ありがとな!!」

「ううん!別に!!対したことないよ!!私はうまくいけばいいって思ってるだけだし!!」

私は本当のことを言った。

本当のこと…だよね…?

「本当にありがと!!」










数日後…

まだ、美穂達の仲は、とても良かった。

「ねぇ!璃桜って、いつも美穂といたのに、最近いないよね!!」

友達の井上舞が言った。

「うん。束唆とべったりだしね。それに、うまくいけばいいって思ってるんだ。」

私は元気には言わなかった。

訳は、この頃、束唆のことが好きになったようだったんだ。

だから好きかもって…

でも、ダメ。

「あのさ!!「好き」と「ありがと」だと、どっちが好き?」

舞が聞いた。

そうだ…

束唆が、「ありがと」って言ってくれた時…

その時はあまり深く考えなかったけど、後からその言葉で好きになったんだ。

「…ありがとかな…」

私は勇気なさげに言った。

くるりと振り向いた。

すると、束唆と美穂がいた。


ズキって痛んだ心…。

今更、「好き」なんて言えない。

みたくない。

束唆と美穂がいるとこなんて…

どうして、もっとはやく気づかなかったんだろ…