面白いことはまだまだある。

三条のじぃじとばぁーちゃ、それにちーちは穏やかな性格をしているが、成田のじいちゃんとばあちゃんは、ぴっしりした人たちだ。


「まぁ、なんです?閑久さんその格好!」


まぁまぁ!と歩みよってきたのは、

「あ、ばあちゃん」


早速家の廊下で捕まりました。


「何ですかその制服の着方は!
シャツはボタンをとめる!第三まで開けるなんて… おリボンもきちんとしめなさいな」


「うーえー…。首もと苦しいのいやー…」


「これ!
まったく…閑久さんは危機感が無さすぎますよ!
男たるものみな狼!そうでなくともこんなに愛らしい閑久さんなんて、すぐに襲われてもおかしくはありません。
せめて格好はピシッとなさい」


「身内の欲目も甚だしいですよおばあさまー。閑久は至って普通のお顔ですよー」

「何をたわごとを…成田の孫が愛らしくないわけが無いでしょうに」


この通り、うちのばあちゃんはツンデレです。

一応、権力者なじいちゃんと、良家の血筋なばあちゃんは、そういう人たちのなかでも特に怖いと噂が立つほどの人たちだ。

なのに孫を前にしてこの体たらく。

さぞやその道の人たちは度胆をぬかれるだろう。