この学園で逆らってはいけない人物が二人居る。
一人は羽根田 晴空。
もう一人が成田 翡翠である。
どちらも性格は容赦が無い。冷酷だ。そしてお互いに嫌いらしく、同じ場所に居る事を避けている節がある。
拍車をかけているのが、属している組織の違いもあるだろう。
生徒会と保安委員会。
学園を運営する側と、監査機関。
どうしたって仲良くはなれない。
しかしなんだってまあ、イケメンばっか揃ったよなー。
生徒会も保安もイケメンばっか。女子人気はハンパない。ゆえに女子が容易に近づける人間ではない………はずだが、ヒンは別格。
成田翡翠なんてすげぇこえぇのに、ワイルドとか言われてモテるし。
成田真珠先輩は『美青年』と言う形容詞がお似合いの方で。
元々の色素が薄いため、それはもう、物語から飛び出した王子様って感じだ。
成田黒曜は、あまり話さない性格らしい。表情も変えず、ただただ整った顔。
『静』の字を人間にしたみたいな人間だ。
でも、地味ではない。
真っ黒な髪と、真っ白な肌。
まさに『美少年』である。
……今気づいたが、ヒンと一番似てる気がする。
ヒンも真っ黒な髪と、真っ白な肌だし。顔は…前髪で隠れてるからちゃんと見たことないけど。
もしかしてヒンって、素顔は結構……?
「おい。お前……………………わかってるよな?」
ひいいいいいい!
いつの間にか逃避していた俺を現実に戻したのは、成田翡翠のドスの効いた声でした。
こっえー!

