まずは長男のフェリクス王子。
彼は父である王によく似ていました。クローンじゃないかと疑うくらいに。
父譲りの茶髪に、これも父譲りの翡翠の瞳。

温かみのあるその色は、彼の性格もまた、人情味溢れる人柄を表していました。

まだ若く、26歳と言う歳の割には政治手腕が成熟していました。

国民は皆、この後継ぎの王子に関して信頼と安心を感じていました。国は安泰です。


次男のフレイア王子はフェリクス王子の一つ下で、こちらは王子という立場に甘んじず、魔法工学の技術者として国に貢献していました。

フレイア王子は母譲りの真っ黒な黒髪に、生きる水晶と謳われた祖母譲りのクリスタル・ブルーの瞳をしていました。

冷静沈着・学者肌の彼は、女性人気が凄まじかったのですが、女性の居ない研究所で研究に明け暮れる日々なので、まったく自覚していませんでした。


三男のジル王子は21歳で、これから二年間は士官学校に通うことになってます。ジル王子は魔法と剣術・武術の新しい可能性を探るべく、その道に進むことになったのです。

母そっくりの黒髪と紅い瞳を持ち、顔立ちも妃を男にしたらこうなるだろうと思われる程に妃に似通った彼が勇ましく戦う姿は、戦神と謳われる程に神々しいものでした。