生徒総会も無事終わり。
クラスへ帰る為に、伝達の早崎 導のアナウンスに沿って体育館を後にする生徒たち。
そして自分のクラスである六組を誘導するために列の前に立っていた彼女の肩を叩いたのは。
「どうだった、僕の勇姿は?」
晴空だった。
ヒンは決して小柄ではないが、180ある会長が並べば小さく見える。
キリッとした眼差しに、さっぱりとした黒髪。
大和男児と言う言葉が似合う会長は、けれど普段の冷たい光をおさめた優しい眼差しでヒンを見た。
わざわざ壇上からおりてきたようだ。
「あっれー、セイカくん、来ちゃっていいんスか?
すごい顔してシノくんがにらんでますケド…」
壇上には般若…もとい、クールな面立ちを一層クールにさせている凌が。
「放っとけ。そんなことより、また生徒会の手伝いしてほしいんだけど…放課後、いい?」
実は彼女は学年一位と言う成績を誇る頭脳をもっている。
本来ならば生徒会入りも十分果たせるのだが、六組からの生徒会入りは過去に例がなく、彼女も断ったので話はなくなったのだ。
その代わり。
彼女は能力と人柄をかわれてよくこうして生徒会から応援要請をうけるのだ。
人のいい彼女の答えはいつも決まっている。
「勿論っスよー。そしたら放課後っスね!」
ほんじゃ。と手を軽く振って歩き出す彼女に、もう少し話したい気持ちがわいたが…
「そろそろ戻らねーとなー…」
相変わらず副会長が人を殺せそうな眼差しでこちらをにらんでいた。

