【生徒総会】


白雪学園高等部の生徒会は、主に一組から選出される。

一年一組からは補佐として五人が。

二年一組からは会長・副会長・書記・会計・伝達の五人が選出される。


現生徒会は、
会長・羽根田 晴空(ハネダ セイカ)

副会長・水無月 凌(ミナヅキ シノグ)

書記・墨川 和白(スミカワ カズシロ)

会計・瀬野尾 数奇(セノオ スウキ)

伝達・早崎 導(ハヤサキ ミチヒ)

の五人である。

顔よし!家柄よし!成績よし!……性格最悪。

刃向かうものは容赦しない性格の彼ら五人には、誰一人逆らうものは居ない。



「お、セイカくんじゃーないっスか!
ご苦労さまさま〜。

六組はどこに並べばよろしー?」


この学園において砕けた口調で生徒会に話しかけるのも、そしてそれを許されるのも、彼女ただ一人である。

ステージの上にいる生徒会メンバーを下からニコニコと見上げる彼女を見て、


『毎度ながらすげぇよなーヒン』

『あぁ。会長にため口きいて停学になったヤツだっているくらいなのにな…』

『でも、まぁ…ヒンだから許されるんだよな』



そう。彼らの言う通り。

彼女のよさは、この学園において、変な媚や遠慮をせず、真っ直ぐ付き合うところである。


「おー、相変わらずだなおまえ。
六組は端に並べ。順番はどうでもいいぜ」

「ほいほーい。了解っスー。
六組のみんなー!はじだそーだよんー。
いちおー出席番号順にならんどこっかー。

さー、さくさく移動ー!」

ぞろぞろと動き出す六組の横では。


『いいなー…うちのクラスにもヒンちゃんほしいよね』

『わかるわかる(笑) 出席番号順に並ぶなんてあり得ないし、並ばせられる人間なんて、ヒンちゃんくらいだよねー』


『『しかも和む(笑)』』


五組の呟きいざ知らず。


「さーて。張り切って総会ききましょーか、みなさん!
寝ちゃー、だーめだーめ」

シーっと唇に指を当てる彼女を見て、クラスメート一同は。



『(癒されるなぁ、ヒンちゃん…)』


溺愛である。