「ちっ!」
迫り来る刃を紙一重で躱し、タモの種を打ち込んだ。
肩口に当たった種はその衝撃で弾け、発芽、ジパドの僧兵を串刺しにしながらその鋭い枝葉を延ばした。
血飛沫を上げて倒れる僧兵の向こうから毒矢が飛来する。
マントを跳ね上げ弾くが右耳を掠めた。
「斬り殺せっ!」
紅の声に反応して、ドラゴマブカの牙で操り人形と化した三人の僧兵が、紅に斬りかかろうとしていた元同志の二人を斬り伏せた。
その間に紅は、矢に対抗するためにタモの種の最後の七つぶを蒔き、結界を張った。
毒矢の毒はすでに解明されているので、薬法師である紅の身体には効かなかった。
切れた右耳の傷から一筋の血が顎を伝う。
無意識に右手で拭う。
ぬるりとした感触。
そこで紅は初めて自分が血を流しているのを知った。
べっとりと自分の血が着いた右手の甲を見詰めていた彼女の表情が急に変わった。
迫り来る刃を紙一重で躱し、タモの種を打ち込んだ。
肩口に当たった種はその衝撃で弾け、発芽、ジパドの僧兵を串刺しにしながらその鋭い枝葉を延ばした。
血飛沫を上げて倒れる僧兵の向こうから毒矢が飛来する。
マントを跳ね上げ弾くが右耳を掠めた。
「斬り殺せっ!」
紅の声に反応して、ドラゴマブカの牙で操り人形と化した三人の僧兵が、紅に斬りかかろうとしていた元同志の二人を斬り伏せた。
その間に紅は、矢に対抗するためにタモの種の最後の七つぶを蒔き、結界を張った。
毒矢の毒はすでに解明されているので、薬法師である紅の身体には効かなかった。
切れた右耳の傷から一筋の血が顎を伝う。
無意識に右手で拭う。
ぬるりとした感触。
そこで紅は初めて自分が血を流しているのを知った。
べっとりと自分の血が着いた右手の甲を見詰めていた彼女の表情が急に変わった。

