「残念だけど。引き受けないと内容は教えられないんだ」

 それを聞いて、紅の目がきらりと輝いた。カムランはその言葉の裏にある危険性に気付く。やばい、師匠はそういうのが好きなんだ。

「なんかおもしろそうだね」

「やめましょうよ。絶対、裏があって、危険な割にお金にならない仕事ですよ」

「なんだいカムラン。さっきまで仕事しろって言ってたろ。おもしろそうだから引き受ける」

「ほんとにいいのかい?カムランの言う通りかもしれないよ。そうそう、報酬は必要経費を別にして十万平均通貨《ジード》でる」

 最後の一言で、カムランのアーモンドアイが明るく見開かれた。

「師匠!引き受けましょう」

 ったく、こいつは……と思いながら、紅は仕事を引き受ける旨をポクン・ポーラーの女主人に告げたのだった。