ただ風のように



私は男子の先輩達が走っているのを見ながらタオルとドリンクの用意をした。


タイムアップ15秒前くらいには遊汰先輩と海頼先輩は走り終わっていた。


あの二人はゼロからマックス、マックスからゼロの切り替えが速いんだ。


当然、強豪の2、3年生だから切り返しはみんな速い。けどその中でも遊汰先輩と海頼先輩は群を抜いていた。


ブザーが鳴ったときには全員が走り終わっていた。


「今日の練習は終わり!!各自、ダウンして男子はモップかけて。そのあと集合!!」


「「はい!!」」


全員が返事をしたあと、私は男子の先輩達にタオルとドリンクを渡しにいった。


「お疲れさまでした!!」


そう言いながら私は、一人ずつにドリンクを手渡した。お礼を言いながらみんな嬉しそうに受け取ってくれた。


「夏々海ちゃんさー、終わったら話す時間ある?」


遊汰先輩にドリンクを渡した時に質問された。


「はい、ありますけど……」


「じゃあ、終わったら昇降口で」