ただ風のように



「翔くん、部屋入っても大丈夫?」


私は海頼先輩との電話を切ったあと翔くんの部屋に向かった。


「あぁ、いいよ」


「お邪魔します」


「どうした?」


「大したことじゃないよ。海頼先輩が日曜日来れるって言ってたからそれだけ伝えに来たの」


「分かった。夏々海、少し話そう」


翔くんはそう言って何か書いていた手を止めて私を座らせた。


「何の話?」


「夏々海、海頼くんと本当は付き合ってないだろ?」


翔くんは私と目を合わせて私に聞いた。


「ど、どうして分かるの?」


「何年、お前の兄貴やってると思ってるんだ?分かるよ」


「翔くんはカンが良いんだね」


「そうだな。それで夏々海は海頼くんのことをどう思ってるんだ?」


「どう思ってるってどういうこと?」


「海頼くんのこと好きなんじゃないのか?」


私は翔くんの言葉を理解するまで時間がかかった。


「好きってどういうこと?」


「恋愛的な意味で夏々海は海頼くんと付き合いたいんじゃないのか?」


翔くんは真面目な顔で私に聞いた。