「夏々海ちゃんは……涼太朗(リョウタロウ)!!こっち来て」
「はい!!」
遊汰先輩がコートを見回して呼んだのは背の高い人だった。
「涼太朗、夏々海ちゃんの相手して。夏々海ちゃん、涼太朗は2年だけど遠慮しなくていいから。終わったら涼太朗の組でローテーション。じゃ、行って」
「分かりました!!」
涼太朗先輩と返事が重なった。
「秋山涼太朗です。よろしく」
「藤原夏々海です。よろしくお願いします」
涼太朗先輩につられて挨拶した。
「こっちのゴールでやるから、今やってる二人の次ね。夏々海ちゃん、最初はディフェンスね。攻守一回ずつやったら交代だから」
「はい!!」
丁寧な説明に感謝の気持ちを込めて返事をした。
「終わったね。じゃあ入ろ?」
涼太朗先輩に促され、私はコートに入った。

