ただ風のように



「誕生石の持つ意味はその日に生まれたものに足りないものを補うものだと儂は思うておる。海頼の石には人間関係を良好にさせる効果もあっての、少し海頼の無愛想も治ればと思うとるんじゃ」


お爺さんはそう言って笑顔を見せてくれた。


「まぁ、否定はしないよ」


海頼先輩はお爺さんの言葉にムッとした顔をした。


「ご飯ですよ」


そこにお婆さんが入ってきた。


「手伝います」


私はそう言って立ち上がりお婆さんが持っていたお盆を受け取った。


「あら、ありがとう」


私は受け取ったお盆をテーブルに置いておかずや箸を並べた。