ただ風のように



「そうだねぇ。俺と海頼は確実に勝てるけど他の人は怪しいかもね」


「コーチに言って男子とやらせたら面白いんじゃないですか?」


「ねぇねぇ、夏々海ちゃん?」


遊汰先輩と海頼先輩が何やら話しているのを見ていたら遊汰先輩がこっちを向いて話しかけてきた。


「はい、何ですか?」


「男子と勝負したことある?」


小さい頃からお兄ちゃんとよくしてたけどそれは入らないよね。


「……ないと思います」


「思う?どういうこと?」


「正確には小さいころから12歳上の兄に遊んでもらってて、兄もバスケやってるのでよくバスケみたいなことで勝負してましたけど。それは入らないかなと思って」


「夏々海ちゃんが何歳の時?」


遊汰先輩は興味を持ったようで何かを考えながら聞いてきた。


「小学校に入る前ですね。4歳くらいから記憶あるので」