ただ風のように



「岬、怖いよ」


渚さんが困った顔をして言った。


「じゃあ、黙ればいいんだよ」


「はいはい、終了。渚兄ぃも岬兄ぃも人の目の前で何してんの。夏々海さん困ってるよ」


怖い顔をした岬さんと渚さんの間に南央ちゃんが入ってそう言った。


「あ、ごめんなさい」


岬さんが頭を下げ、渚さんもばつ悪そうに頭を下げた。


「海頼、夏々海ちゃん、ホットケーキ焼けたからこっちにいらっしゃい」


海頼先輩のお母さんに呼ばれ、私達はダイニングのテーブルについた。


「はい、どんどん食べてね」


「ありがとうございます。いただきます」


「召し上がれ」


私は一口食べてからあまりの美味しさに驚いた。


「美味しすぎる!!」


「ありがとう。夏々海ちゃんは誉め上手ね」


海頼先輩のお母さんが笑顔でそう言ってくれた。