ただ風のように



「私のせいで休ませてごめんなさい」


私は申し訳なくて謝った。


「いや、もともと今日はあんまり行く気がなかったんだ。俺にとっては渡りに舟だったんだよね。だから謝らないで」


そう言って海頼先輩は悪巧みした子どものように笑いながら歩いてきて私の隣に座った。


「でも……」


「大丈夫だから。そんなことより君のことが知りたいんだけど。その傷の原因は何?」


先輩が真剣な目を私に向けて聞いてきた。


「この傷の原因は母に言われたことです」


「なんて言われたの?」


「……また行かなくなるようになる前に部活辞めたらって」


私は下を向いて答えた。


「それだけ?」