「そりゃー義理だと思ってるから……つーかさ、昔のことはもういい」 斗稀が大きく深呼吸した。 クリクリっとした大きな目がわたしを捉える。 「今は? これ、もらってもいいってことは……そういうこと?」 「……うん」 「……どういうこと? ハッキリ言ってくんなきゃ分かんねーんだけど……」 ハッキリって……。 そんなこと催促されても……。 でも、今日はバレンタインだし? このチャンスを逃すと言えないかもしれない。