「……毎年の恒例だろ?」 毎年の……。 そうだ、バレンタインにチョコを取りに来るのはいつものこと。 わたしの気持ちなんて関係なしに斗稀は取りに来る。 それが当たり前みたいに……。 だからって……。 「何でよ……?」 「何が?」 「何で取りに来んのよ?」 「……あーオレのこと、嫌いなんだっけ?」 「そんなこと言ってない! 好きじゃないって言っただけ! ……だけど……」 「だけど?」 斗稀がガサガサとピンクの袋を開ける。