翌朝。

私は職員室に寄って退部届けの用紙をもらってから、教室へと向かった。


昨日のあの事件の後の事は、正直あまり覚えていない。
どう授業を受けてたかとか、
どうやって家に帰ったのかとか、
・・・詳しい事は覚えてない。

ただ、
今日退部届けを出さなきゃってことだけは分かっていた。


あんな人に利用されたくもないし、あんな人を想っていたかと思うと、自分が恥ずかしくて。
悔しくて。



席に着き、かばんの中からシャーペンを取り出して、用紙に名前などを記入する。


時計を見ると、8時15分だった。
まだ朝のホームルームまでは時間がある。


私は席を立ち、職員室へと戻った―。