翌日。


「桜井さん、今日で最後ですね。」

「うん。」

「2週間、お世話になりました。」

「イヤイヤ、とんでもないッ!」


同僚の子に挨拶をされながら、私はギャラリーからプール内を覗いていた。


それから、

2週間お世話になった職場を、奥から順に見渡し、ホール前の受付へと向かった。



時計の針が午後8時をさした時、


「桜井さん、もう上がってください~。 後はやりますんで!」

「うん。 ありがとう。」


私は受付を出て、

ホールに落ちてたゴミを拾い、

更衣室へと行こうとした時、



エントランスの自動ドアが開く音と、




「・・・ぁ・・葵・・・?」




懐かしい声に、


私は、


振り返った―。





      - END -