ね、先生。

チャイムと同時に、情報処理の２時間目の授業が始まった。


「まず、お前たちには情報処理の基礎を覚えてもらう。
　情報処理って言うのには、テスト勉強で渡したプリントにもあるが･･･」


渡部先生の初めての授業。

怒ってない先生の授業と言うか、、、普通に先生の授業は楽しかった。

今までに受けた事のない授業で、自分が興味があるってこともあるんだろうけど、とても分かりやすくって、初めて耳にする言葉など、覚える事がいっぱいなのに、パニックになるどころか、もっと知りたいもっと授業が受けたいって気持ちになる。
それが、たった初めての１時間でもよく分かった。


「･･･じゃ、少し早いが、今日はここまでにする。」


チャイムが鳴る前に先生は授業を終わらせた。


「次の授業は何だ～？
　体育？
　じゃ、着替えなきゃだな。職員室に早いけど戻るかっ。」


黒板の隣に貼られた時間割表を見ながらデカい独り言をいい、教科書をまとめて教室を後にしようとする先生。



ドアに先生の手が掛かった時、

「あ、葵！
　今日は部活にオレ行くから。お前もちゃんと来いよ！」

と、わざわざ先生は振り返って私に言った。


「？！
　言われなくても毎日行ってます！！！///」

私が即答すると、

「あぁ、だよな？アイツいるし･･･。ハハハ！」

先生は思い出したように笑いながら教室を出て行った。