あれから、田口先生は喜んで部活に参加してきた。誰よりも楽しそうに・・・



「田口先生、上手くなりましたね~。」

「そんなー。
 渡部先生の指導がいいからですよー。」



私は、出来るだけ二人の会話に耳を塞ぎ、見ないようにした。






「…はぁ~…。」


二人の姿に飽きた私は、大きな溜息を吐きながらテニスコートの隅にあるベンチへと座り込んだ。

そこへ


「テンション、やたら高いよな…。」


沢田くんもやってくる。



並んで座って、

しばらくの間、音を立ててコートを行き来するボールを眺めてた。


のは、

きっと沢田くんだけだろう。



私はさっきとは真逆の事をしてた。

大きな声ではしゃぐ田口先生の姿をずっと見ていた。