先生を先頭に、マンションの前の路地を抜け、大きな通りに出ると、沢山の人の波が一方の方を向かって流れてた。


「す、すっごい人・・・」

「・・・う、うん。」


里美と一緒に呆れつつ、この波に自分ものまれるのかと思うと、ゾッとした。


「こっから先はずっと真っ直ぐだし、歩いてる人みんな一緒だから。目的地。」


多分、里美と私が引きつった顔をしてたんだろう。先生は苦笑いをして言った。



私達は人の多さにろくに会話も出来ずに、人の流れのまま神社を目指す。



途中。

里美と沢田くんが前で、私と先生が後ろで歩いてた時、私は隣の人に押され、里美の姿を見失おうとする。


「さ、、、里美!待ってっ!!」


大きな声で発したと思った声は、周りのざわめきに掻き消され、里美には届かなかった―。


その時。

私は左手をグィっと後ろから引っ張られる。


「・・・せ、先生?!」

「しっ。」


先生は私を引き寄せ、耳元でささやく。


「それはタブーだろっ。
 あとで、携帯で連絡取れるし、別行動でいいんじゃない?あいつらもいい感じだし。」


私はその言葉に、小さく頷いた。