先生に連れられて、

運動場のすみにある テニスコートへと向かう。


もう既に何人かの先輩がラリーをやってて、

見学に一年生らしき人が数人きてた。


「よーし、葵見とけよ?」


先生は私に向かってそう言い、張り切ってコートへとラケットを振り回しながら向かっていく。


「・・・。」

その姿を無言で見てると、


「あなたも一年生?入部希望者?」


と、声を掛けられる。


「・・・あ、はい。」

「私、英文科の矢部美加。
 私もテニス部に入部したくって見に来たの。よろしくね。」


美加は、笑顔で話しかけてきた。

美加の第一印象は、とても優しそうだった。