「先生は。
 ・・・私が誰と付き合おうが気にならないんだよね?」


「・・・はっ?」


私の言葉に、先生が少し不思議そうな顔をした。




「私は、沢田くんとは付き合わないっ・・・。」

「あ、そうか、、。」


私のぶっきら棒な言い方に、先生は戸惑ってるように見えた。そして、先生は私の態度に納得がいかないようで、


「いや、、偶然見ただけなんだけど、本当。
 なんでそんな怒った顔してるかな? 告白されたら嬉しくない・・か?誰でも。」


こう、続けた。



 -・・・嬉しくなんかないよ。-


そう心の中で呟いた時、私の瞳から大きな涙が零れた。



「あ、葵?
 ・・・ご、ごめん。」


先生が心配そうに私の方へと一歩戻ってきた時、


「じゃ、先生ッ。
 私が先生のこと好きって言ったら、嬉しい?」

「はっ?!

 ・・・あぁ、、嬉しいよっ。
 先生の事好きって言ってくれる奴なんか、三学年合わせてもほとんどいないし~。」

「違うよ・・・。
 私が付き合って欲しいと言ったら、生徒ととしてじゃなくて見てくれる・・・?」

「へっ、、?!
 な、何言って、、。」


私は先生の一瞬曇った表情を見逃さなかった。


「嘘つき。
 ホラ、困った顔した・・・。」


私は逃げるように走ってその場を立ち去った。



その後、

ポロポロと溢れてくる涙を誰にも見られたくなくて、人気のない図書室の裏で一人で泣いた。時折口から零れる泣き声を、セミの声が消してくれた・・・。