年が明けた。 母のいない新年だ…。 おせち料理はスーパーで買った。 三人で初詣に出掛ける。 振り袖を着たお姉さん達とすれ違った。 詩織が羨ましそうに見ていた。 私は妹の手を強く握る。 可哀想に…詩織は甘えん坊で淋しがりや…母が消えても、こんなに小さな手で一生懸命生きてるんだ…私が守ってあげなきゃ、私が……。 「詩織、お姉ちゃんがさ、あんたが二十歳になったら、絶対にあんな着物買ってあげるよ」 二人握られた手には…愛が流れていた。