過去の秘箱



一睡もしない夜が終わった。


沙織は弁当を二つ作ると、正男の分をテーブルに置き、いつもよりずっと早くに家を出た。


まだ正男は居間で、そのまま眠りの中だった……大きな身体が横たわっている、口を開け、イビキを吐き出して……。


まだ早朝だった、学校の門はまだ開いていない。


途中の公園のベンチで時間をつぶす沙織……こっくりこっくりと…眠くてしょうがない。


詩織が家を空け、これで3日目…後2日…夜はどう過ごせばいいの?


詩織~お願い~早く帰って来てよ~